2013年にお亡くなりになった大熊町の歌人、佐藤祐禎さんの震災後の歌集が『再び還らず』が刊行されました。
東京電力福島第一原発事故前に出版していた歌集『青白き光』で予言していたからこその、祐禎さんの思いが詰まった歌集で、無念と慟哭が伝わってきます。
推薦文は作家の落合恵子さん、解説は歌人の實藤恒子さん、選歌とあとがきは歌人の吉田信雄さん、装幀は藤城光さんです。
奪われたいのちは決して還りはしない。
積み上げた暮らしもまた。
奪い、破壊したのは誰だ。
佐藤祐禎さんの喪失の叫びを、無念の慟哭を、わたしたちは、
他でもない「わたくしごと」とする。
非力でもなお声をあげ続けることを約束して。
落合恵子
●歌集より5首
原子炉ゆ放射能漏るとの放送に算を乱して遠く避難す
一斉の黙禱はありさりながら再び還らずあまたの死者ら
夢うつつのごとく聞きたり新潟にて初のひい孫生まれたとの声
あたらしき家に移らむ日も近し完全に古里失はむ日
原発に逐はれし感情のみならず世界の原発止めねばならず